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とにかく眠たい。

 

 毎日毎日もう眠くてたまらない。仕事が終わって帰ってきた途端、バサッと布団に倒れこむ。20:00-23:00の3時間をイビキで騒ぎながら過ごす。

 「あー あーもうやだ 寝ちゃった最悪」と言いながら深夜にずるずる起きて、首を思いっきり捻って鳴らしたのち、100均のタッパーみたいなのでスパゲティを茹でる。寝起きはあまり食べられないから、100グラムより気持ち少なめにした。 炊飯器には「23h」の電光と黄色くなった元白飯。灰で汚れたガスコンロ。発泡酒の空き缶。怠惰以外の何物でもないキッチン周りを眺めて目をこすった。

 

 湯で時間は10分、ここでもやっぱりまだ眠気を取り払えず、インスタントコーヒーを適当なコップに入れて水を勢い良く注いだ。黄色っぽい泡がぶくぶく浮かんで、溶けきらない粉末が茶色を保ったまま泡に紛れてる。箸の逆サイド、手で握る側を使ってぐるぐる回した。溶けきったかは知らないけど、一気に飲み干す。にっがい。こんなもん二度と飲まねえわ、とは昨日も思った。

 ねむってえ。ねむてえねむてえ。恋人からの連絡も僕から止めた形で終わってる。部屋はみるみる汚くなった。免許証の怪しい顔が枕元にずっと居る。パンクした自転車はいつまでも直されず部屋の壁にもたれかかったまま。いい加減僕は机を買うべきだ。

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 ごちゃっと丸まった掛け布団の上に寝っ転がる。窓から入ってくるのは熱風らしく身にこたえる。風を通そうと開けておいた部屋のドアのせいで、僕のプライベートはだだ漏れ。枕に頭を乗せたと同時に、何か装置でも付いてるんじゃないかと思えるくらいのタイミングで、まぶたがだんだん降りていく。23:40くらいか。まあ、寝るにはちょうど良いな。イヤホンを耳にはめ込んで、ゆるいJポップカバーみたいなのを聴き始めた。

 目をつぶったまま下世話なことをたんまり考えていた。エロいことやら、ムカつく奴のことやら。気にしてもどうしようもないことを延々頭の中で回しながら、もうそろそろ寝てしまいそうだと思い寝返りを打った。木綿のハンカチーフの隙間に「ピピーッ」と音が入り込んで来る。ひとりごとが多い僕は「うるせえ何だこの野郎ぶっ飛ばすぞクッソちくしょう」と暴言の総集編みたいなのを言いながら、うっとうしい前髪をサイドに撫で付ける。

 

起きた。ハッとした。パスタ。スパゲティ。ゆでっぱなし。

 

 あきらめがちにキッチンに向かい、電子レンジの中でさっきの僕と全く同じ格好をして伸びきっているパスタを見る。「もうやだー」と言いながら、同居人が買ってきたらしいクレイジーソルトをたくさんかけた。水死体みたいな形のしょっぱいスパゲティを食べながら、iPhoneを見る。0:10。帰宅から4時間のあいだ、何もしていないことに気がついて、イライラした。どこにもぶつけようの無い怒りを洗い物に無理やりぶつけて、風呂にも入らず寝た。生活が荒んできた。恋人がこっちに来る前に、色々ごちゃっと片付けないと。まずは、たっぷり寝る。全部それから。これも、前の日に同じことを言った。