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白黒写真の中で一際目立てるね。

https://www.instagram.com/p/BHhkNu7Bp4G/

 

 いつの間にか、白と黒の服ばかりを身につけるようになった。コムデギャルソンのポリ縮絨のパンツはもれなく毎日穿いていて、そこに合わせるTシャツはいつも黒。もしくは写真のように白。たまーにグレー。持っている靴は、ネイビーのドクターマーチン8ホール以外すべてが黒。優柔不断でいつももやもやしている僕は、服装ばかりが白黒ハッキリ決まっている。

 色彩豊かな格好をするにはもう、僕は落ち着きすぎた。大酒に酔っ払って電柱を吐瀉物まみれにすることは無くなった。(どうにかしてあの子と付き合ってエロいことをしたい)と思いながら、汗をかいて妄想していた日々が懐かしい。僕はあの頃から比べて、少し大人になった。あんまり目立つ服を着なくなったのも、きっと大人になってきたからだろう。

 

 少し前までは、「バックプリント」というのが本当に嫌いだった。背中にあれこれ描いてるやつだ。せっかくのプリントを自分で見ることができないし、馬鹿にして僕に後ろ指を指す嫌な奴も確認できない。嫌いな物が特に無かった自分にとって、唯一悪と言えるほどの物だった。

 そんな僕が、今や背中に上向きの矢印を背負っているときたもんだから、笑える。仲良しのアヤコさんは『えーちょっと気持ち悪い』と言った。下品な話だが、『前にぶら下がってる矢印は下向いてるのにね』と言った。心底好きだ。「たまに!たまに上向くんすよ!!」とニヤニヤしていたら余計に気持ち悪がられた。上、向くんだけどなぁ。

 

 人の好みなんか、だんだん変わっていくよ。僕はもうナイキのバッシュみたいなスニーカーを履かない。カラフルな服装のスタイルには飽きた。ファッション以外で言えば、あれほど好きだったガーナの板チョコを買うことは無くなったし、つるっとした赤ちゃんみたいな顔をした女の子は、今はあんまり好みじゃない。諸行無常の響きに揺れに揺れ、いつかの自分はアルバムの中。花に嵐のたとえもある。そういうことです。