読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

どうでもいいんじゃなく、なんでもない服。

https://www.instagram.com/p/BFwQD1kzKKb/

 

 なんでもない服が好きだ。縫製なんかはとかく気にしない。ブランドも、あまり。なんなら100円ショップに売っている服であっても、(なんかいいな)と思えばたちまちワードローブ入り。1枚16,000円なんていう値段設定の高めな無地のTシャツだって、友達から『コストコなら40枚は買えるでしょ』と言われようが着る。あんまりそんなに即決で服を買うことはないけど。

 フリマアプリも、街のフリーマーケットも、その辺の古いリサイクルショップも、格好付けた古着屋も。今の僕は、どこでもいいから何とか「なんでもない服」を探している。

 

 高校生だった頃にあれほど求めていたチェック柄の服は、今になっては余程の事がない限りは身に付けなくなった。赤いTシャツ、白と青のストライプのパンツは今どこへ行ってしまったのか。当時付き合っていた女の子がオススメしてきた、アニメ調が可愛らしい猫のプリントTシャツは今どこへ。

 時間が経てば好みも変わって、あの頃馬鹿の一つ覚えみたいに齧っていた米粉のパンを今は食べない。サブカルチャーに首ったけな女の子を好きだった時代もあった。ギャルもちょっと好きだった。よくわからないハイテクごてごてのスニーカーばかり履いていた頃も。

 

 それら全てが今の自分に影響しているとは言いがたいけれど、スティーブジョブズが言っていたらしい "connecting dots" みたいな事だろう。ちょいちょいどっかで繋がっていくんだろうと思う。現に、今あの米粉パンを前にすれば喜んで食べるだろうし、きっと東京タクシーのモデルのナイキSBダンクを見れば今でも履きたくなるはずだ。現にいま僕がスケートをするのも、あの時大事に履いていたSBダンクが生きているのかもな。

 ファッションは人であり、人はファッションであると信じてやまない僕。 服装も、食べる物も好きな女の子のタイプも、タバコの銘柄も酒の種類も、全部。全部が移り変わっていくもので、10年20年をサイクルに流行が巡りめぐるファッションと全く同じ。タバコは変わらないのか。よくわかんないけど。

 

 なんでもない服が好きだ。装飾もギミックも、色ですら要らないんじゃないか、とすら思う。静かにしっぽり考えてみれば、顔の濃さのせいなんじゃないか。ある日友達のたかはし君が、僕の濃い顔を『三浦がシンプルな服を似合わせられるのはきっと、顔がハッキリしているからだよ いいなあ』と羨ましがった。そうなのか?と疑うところもあるが、結構嬉しく思う。

 人はどんどん変わっていくもので、もしかすれば数年後の僕はアメリカにかぶれた様な格好をしているかもしれない。顔はきっと変わらず濃いままだろうし。80年台初頭のラッパーみたいに、ジェリーカールのヘアスタイルに大きなサングラスを付けてアディダススーパースターを履いているかもしれない。全然わからない。全然わからないからこそ、面白い。2016年5月31日22時45分の僕は、なんでもない服が好きだ。明日は何を着て生きようかな。楽しみだな。