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ギブギブギブ。たまのテイク。

 

https://www.instagram.com/p/BBMEw1FTKG6/

 父母から「ふつうのTシャツ」を貰った。僕が藍染の製品を好んでいるのを知っている彼らは、毎年この時期になればもれなくこういうプレゼントを贈ってくれる。去年は同じブランドの富士山の絵が描かれたTシャツを贈ってくれた。サイズが少し小さくて肩幅が全然足りないけれど、それでも嬉しくて1年が経った今でもずっと着ている。僕のことを純粋に100%考えて選んでくれたプレゼントは、どんな物であれ身につけたり大事にとっておきたいと思う。

 

https://www.instagram.com/p/_vQd22TKC1/

 思えばこれもそうだ。恋人がクリスマスにプレゼントしてくれたコムデギャルソンシャツのTシャツは、何も描かれていない無地のネイビーだった。うつむきがちに口を動かす彼女の話を聞けば、『もっとプリントのある物でも良かったんだけど、無地のTシャツをよく着ているし、ネイビーもよく身につけていて絶対似合うと思ったんだよね』と。

 僕はひたすらに嬉しかった。たしかにプレゼントにしては装飾が足りないか。もう少しうるさくても良かったのかもしれない。でも、たとえそうだとしても、僕がよく着ていそうな物をバッチリ選んで渡してくれようとしたその気概が物凄く嬉しかった。きっと僕のことを一心に思って選んだのだろう。この子は本当に良い人間だ、と思った。年末に幸福感で溺れるところだった。幸せだと思った。

 

 人に何かをしてあげること。たとえばケーキの最後の一口をあげてしまうこと。お気に入りの帽子を、より似合いそうな友達が住む家に送ってしまうこと。寒い日に温かい缶コーヒーをパッとあげること。背中の曲がったおばあちゃんに「お荷物持って手伝いますかー」と声を掛けること。一人しか通れない雪道にて側道に積もる雪をブーツにまとわせ、向こうから来る人に道を譲ってあげること。

 こういうのは本当に大切なことで、『人生はギブアンドテイクだ』と教えてくれた僕のバイト先の店長には心から感謝している。ギブギブで人にあげまくって、ふとした時どこかでテイクできれば。いっそテイクできなくても良い。綺麗事みたいだけど、『ありがとう』と微笑む顔さえあれば良い。「ありがた迷惑」なんていう言葉があるが、あんなのはハッタリだ。そんなものは無い。無いと信じたい。少なくとも僕個人には無いから、何を貰っても何をご馳走されても嬉しいし美味しい。ここまで過度ではないにせよ、いろんな人がきっと、こういう思いを持っているとは思う。思いたい。

 人に何かをしてあげましょう。「してあげたんだから!」なんていうのはつまらないけど。無償ないし有償の愛をばら撒きましょう。まずは待ち合わせにコーヒーを1本買って持って行ってみましょう。下心っぽい何かを心の内に押し込み無理やり潜めて、その温かい缶をニコニコ渡してみましょう。きっと2人は幸せな気分。120円と少しの下心で、人は幸せになれると思います。少なくともあなたと相手の2人は。

コーヒーが飲めない人にはやめときましょう。そこは甘いココアで。