媚びない人生。兎生。

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 実家で飼っているウサギが底抜けに可愛くて、元々あまり動物が好きではない僕ですらもだらしなく頬骨を盛り上げてしまうようになった。目尻には何層ものシワができて。北海道特有の「やー、ほんとめんこいなぁ」とともに、もっこもこのお尻辺りを手で揉む。耳を寝かす形にするように撫でて、延長として鼻に優しく親指で触れる。ヒクヒクしている鼻の少し上を見れば、13:00、昼休み明けの大学生みたいに、目を閉じるか閉じないかのギリギリに保ちながらうとうとしている。

 ウサギは人に媚びないから好きだ。人間に甘えることは無く、いつも愛情は一方通行。ドサドサと走ってきて、(おお、珍しく甘えてくるのか)と思っていれば、ストーブの前に立つ僕が邪魔だっただけだったり。「おいで~」と何度も呼びかけるが、一度も近寄って来たことは無い。近寄ってくるどころか、聞く耳も立てず段ボールを一心不乱にガシガシ噛んでいるくらいのもんで。あんなに大きな耳を持っていながら無視を決め込むんだから、なかなかの度胸だとは思う。

 そのくせ、寂しくなれば死んでしまうという話もあるくらいだから、余計にわからない。実家に置いてあった「ウサギの気持ちを知る」というタイトルの本は、最初の10ページくらいを流し読みして止めた。結局きっとこんなのを読んだところで彼の気持ちは一切掴めないだろうと思いながら。ミステリアスをひたすらに突き通していて、なかなか面白い動物だと思う。

 

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 犬が喜んでいるのは何となくわかる。祖母の家に遊びに行った際に、バタバターッと走ってきて足元に突っ込んでくる馬鹿な犬を見てきたからだ。ただ、この耳の大きな真っ黒の彼は全然違う。久々の帰郷を果たしたところで、こっちに見向きもしない。もしかして僕が嫌われているだけなのかと思い、そわそわしながら父に聞けば、『コイツはそういう奴なんだよ』と返答が返ってきた。そんなスタンスを保っていながらにして広く愛されるのだから、なんて得な奴なんだ。やっぱり、結局は顔だなと思わざるを得ない。

 別にウサギの様に生きたいなあというわけではないが、ちょっとだけ羨ましくもあった。