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茹で鳥とブロッコリー

 

 朝5:00に目が覚め、早朝の寒さに肌が茹で鳥のようだったから、僕はのろのろと動き出し風呂を貯めた。亀より遅い足取り。多分。

 僕は風呂が好きだ。北海道の寒さは風呂場を真っ白にする。視界が制限されている中をぶるぶる震えながら、日ごろの慣れから浴槽へと足を突っ込めば、風呂場と浴槽内との温度の差のせいで足先がビリビリと痺れてくる。42℃が50℃にも60℃にも、70℃にも思えてくる。でも、引っ込めたくなるほどでもなく。じわじわと高温が身体に浸透し、口から自然と「あぁー」が出てくる。あの瞬間がたまらなく好きだ。ガス料金の高さを一瞬わざと見えないところに置いて、痺れる末端を盲目に楽しむ。あれは良い。

 気分が高揚してしまい、襟足の刈り上げを少しシャキッとしようと思った。たいがい、こういう時には何か悪いことが起きる。欲を出せばどこかでつまづく。幸せに限りは無い。どこまでも追い続けては、落とし穴がどこかで自分を待つ。それに気づかない。ウサギ狩りをした経験は無いが、追うのは一羽までにした方が良さそうだ。現に僕の襟足には訳の分からない二本の平行線ができた。最低だ。

https://www.instagram.com/p/BAaVyBaTKLT/

 

 たまらず次の日には美容室に駆け込んだ。男前のモリさんが笑う。『エグザイル?』と言って悪戯に笑う顔まで男前だ。僕はもう、何でもいいやと思った。全体にパーマをかけてもらうようオーダーし、待っている間のドリンクにはホットコーヒーを頼んだ。いつも飲むものよりも少し苦いような気がする。深煎りがどうとか、原産地がどうとか、その日に関しては何も気にしないようにしようと思った。何に対してかはわからないけど、なんか悔しかったから。

https://www.instagram.com/p/BAehukTTKJN/

 

 友達が僕の頭を見て『ブロッコリー』と表現するのを助長したような形になった。今まで大学にて自分がそうしてきたように、自由すぎるほどに遊んでいる毛先。誰かが言った『毛先は遊び人のバロメーター』という言葉を、鏡を見るたび思い返してちょっと笑いそうになる。遊びは卒業しました。安心してください。関係各位。

 

 久々に文章を書いてみましたが、やっぱり楽しいなと思いました。「亀より遅い足取り」と「ウサギは追っても一羽まで」のつなぎとか、ひどくくだらないんだけど。説明しちゃうのもちょっとダサいんだけど。またちょくちょく書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。