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普段雑誌しか読まない僕が読んだあの何冊か。

 

 「普段雑誌しか読まない」は嘘だ。それは、「雑誌以外も読む」というポジティブらしいものでは決してなく、『そもそも 本を読まない』ということだ。僕は本を読まない。ほとんど。別に嫌いなわけでもない。豊かなボキャブラリー表現を読めば人並みに感動はするし、素敵な写真 とその下のちょろっとした文章に心を打たれることもある。でも、それを好んですることはあまり無い。僕は本を読まない。
 
 コ ンビニに入って雑誌のコーナーの前を通る際に、笑顔で表紙を飾る女優を見てニヤニヤする。(パチスロの関連本は情報がごちゃごちゃ並んでいて凄いなぁ)と 思う。白の背景にたしか黒い文字で「日本酒」と書かれた雑誌の表紙を見た時には、なんて素晴らしいデザインなんだと感動したのを覚えている。ただ、それを レジへ持って行きはしなかった。外側から眺めて、パラパラと少しだけ内容を流し読みし、元あった場所にまっすぐ戻した。「純米大吟醸は美味しいんだな」と 思った。それで終わり。

 どうも周りに小説を読む人が多い気がして、僕も古本屋で何冊か買ってみようと思ったことがあった。どうせ105円 で雑に売られているのなら、何冊買ったって、いくつかお菓子を我慢すればいいや、と。その本が家のどこに転がっているかは、今はもう知らない。どこまで読 んで、登場人物の誰の何のシーンに感動したかなんて、全く覚えていない。
 
 「三日坊主」は、まだ良い方だ と思う。僕の場合は「30分坊主」。30分ほど集中して、それで終わり。本を読む習慣が無い僕にとっては、その30分が4,5時間くらいのものに感じられ る。「坊ちゃん」も、「火花」も、「うれしい悲鳴をあげてくれ」も、「POPEYE」も。どんな本であれ、全て30分くらいで疲れてしまうから、いつも読 書の際には決まった時間を決まった量しか読めない。結局隣に並べたコーヒーに逃げては、カウンターの向こうの美人店員に目をくれる。きっと読書の時間より も長く彼女を見つめていることだと思う。
 
 それでも、なんとか読み切れた本があった。まずは、これ。
犬の目―上方落語 (おはなしのたからばこ 17)

犬の目―上方落語 (おはなしのたからばこ 17)

 

 落語を絵本にしたものである。これを読むのにかかった時間はわずかばかり、たしか3分くらいのものだったと思う。目の調子が悪くなった一人の男性が医者を訪ね、犬の目玉と取り換えられてしまう話。ここだけ切り取ればなんてサイコな話なんだと思ってしまうだろうが、コミカルに進む話の流れがユーモラスで、グロテスクな描写も全く無く、誰が読んでもきっと楽しめるだろうと思う。

 この本は、地下歩行空間にあったしゃれたブックフェアにお邪魔した際に購入。色彩豊かなイラストと、わかりやすく簡単な文章のおかげで読み切ることができた。これは、もう、 絵本だ。大抵の人が予想する、僕の「何冊か」を裏切る形だ。

 

 本を読まないとは言ったものの、これと決まった一冊が僕には ある。それは、「Houyhnhnm Unplugged」。大学2年の頃に見つけて以来、これまでずっと追い続けてきたメディアだ。もともとWebのメディアとしてあった HOUYHNHNM。ある日、紙媒体を作るという話が出てきて、そんなの買わないはずが無いだろう、と。

HOUYHNHNM Unplugged ISSUE 01 2015SPRING SUMMER (講談社 Mook(J))

HOUYHNHNM Unplugged ISSUE 01 2015SPRING SUMMER (講談社 Mook(J))

 
HOUYHNHNM Unplugged ISSUE 02 2015 AUTUMN WINTER (講談社 Mook(J))

HOUYHNHNM Unplugged ISSUE 02 2015 AUTUMN WINTER (講談社 Mook(J))

 

  これを買って以来、あらゆる友達に紹介しまくった。いつ、どこで会う友達にも「フイナムアンプラグド、やばいよ」と言い続けた。二号目を購入する際には、僕 が「やばいよ」とべた褒めしまくっているのを察してか、僕にプレゼントしてくれた人もあったくらいのもので。それほど、どうしても読みたかった。やっぱり 読んだ後は、「絶対買ったほうがいい むしろ貸してあげるから」とガンガンなプッシュをした。しょうがない。面白いから。今でも大事にとってある、僕のとって特別な雑誌。いつでも言ってくださ い。誰にでも貸してあげます。

 

 本を読む習慣が無いのに、「あの何冊か。」なんていう格好付けたタイトルの文章を書いてし まったのはちょっと問題だが、「わかりやすい」が一番重要な自分にとっての絵本、ライフスタイル・ファッションに多大な興味を寄せる自分にふさわしい「何 冊か」だったと思う。これからもきっと、このまま本を読む習慣はついていかなそうだけど、これと決めた自分らしい本には少しずつ触れて行こうと思う。ネッ トばっかしてないで、紙の本でも読んでみようかな。