ニットを着たら秋だよ。

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 ジョージコックスを履く時には、どこかにポップなものを持ってきたいと思う。稲妻が描かれたニットを今日は下ろした。下ろすというか、久々に着た。変にイエローとかオレンジではなく、ただそのままブラックで稲妻が表現されていて、制限された色のおかげで合わせに困らない一着。ジョージコックス3588のブラックと仲良く合ってくれて、シンプルながらにこだわりが少し見えるスタイルが出来上がった。

 それにしても、ニットを着てしまうとは。これはまさに夏の終わりを確定させる事柄だ。いくら薄手だとは言え、これのおかげで僕の中の季節は完全に秋にシフトしてしまった。昨日のバイト帰りには、コンビニにあった「秋味」という名前のビールを手に取った。仲良しはライダースジャケットを着ると言っていたし、雨上がりには道に黄色い葉っぱも落ちていた。弟が買ってきたSAUCONYのスニーカーはダークグリーン。古本屋には「読書の秋」の文字がデカデカと掲げられている。部屋の電気を点けるタイミングもこれまでとは比べ物にならない程早くなった。

 いつまでも夏の気分では居られないと思った。何ならちょっと焦った。「9月の終わりくらいまでは、この雪駄のお世話になろうと思う」と言っていた自分を少し恥じた。もう無理だ。さすがに寒い。靴下を履かなくて良いという怠惰な自分を甘やかせられるからという理由で、お父さんに少し無理を言って譲ってもらった雪駄の役目もたった3週間くらいで終わってしまった。

  スポーツサンダルが流行して、白いポケットの付いたTシャツが流行して、そのままの気分でずっとぬるま湯に浸かってホクホクしていたから、周りの変化に疎くなっていた。カエルを熱湯に入れればピョンと鍋から跳び出してしまうと言うが、水から徐々に茹でていけば、カエルはその温度の変化に気づかずに茹で上がってしまうらしい。僕はカエルが怖いからそれを試す勇気も無いけど、イタズラ好きな父によれば、どうやらこれは本当の話だそうだ。ぬるかったあの気温が徐々に下がっていくことに気付かなかった僕はまさにその「ゆでガエル」みたいだ。

 秋が始まった。LINEのグループトークで友達がみんなめいめい『夏に飽きが来た』みたいなアホみたいなことを言っていて、サムいジョークだなぁと思った。寒いジョーク。ははは。くっだらねえ。