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ギター弾きに貸す部屋はねえ。

 この時計に一目惚れをし、連れて帰ってきた。一緒にお店に行った弟に、「これはきっと僕のものになる運命だったと思う」と言ったら笑われてしまった。『ほんとそういうの好きだよね』と諦めたように笑う彼の目が優しかった。文字盤上で火を噴くドラゴン。なんとなく和を感じさせるデザイン。中国っぽくもある。加えて、重みも良い。付けている感覚がずっと左腕に感じられる。

 クラッチバッグを絶対に持たないと決めたのは、友達の『レストランに置いたまま帰って来てしまった』という話を聞いてからだった。僕はだらしないから、間違いなくクラッチバッグなんて置いて来るに決まってる。この時計もそうだ。ずっと付いていると意識できるから、どこかに放置するなんてことはきっと無いと思う。そういう意味でも、少しだけ重たいこの時計は優秀だ。

 この時計を買うにあたって、絶対にしようと決めていた合わせがある。服は組み合わせを楽しむものだと思っていて、それが絶対にハマると思って、この時計を購入するに至った。それが、これだ。

https://instagram.com/p/5gbZMuzKD8/

 テーマはもちろん、燃えよドラゴン。羨ましげに時計を見上げているブルース・リー。英語の講義の時間に、このTシャツを見た外国人の先生が『アイ ライク ブルース・リー!』と言って笑った。ファッションの面白さは国境までをも越えるのだ。何なら時計も見せてあげたら良かった。こういう意味で、やっぱりファッションはやめられない。せっかく着るなら、自分も他の人も楽しめる服を着たい。楽しい服を着れば、着ている間はずっと楽しく居られる。好きな服を着れば、下を向くたび、窓ガラスに映る自分の姿が目に入るたび、自然と笑顔になれる。

 美味しいものや好きな食べ物・飲み物を口に入れる時もそう。好きな場所でのんびりしている時もそう。気に入っている音楽に身体を揺らす時も、好きな子の頬のホクロを眺めている時も、大好きな彼がふかすタバコの煙の匂いも。

 人それぞれ好きなものがあって、それらを身に付けたり身に入れたり、目に入れたり。様々楽しみ方はあるが、共通する「触れる」ということ。身体的接触だけではない。

ある時期や物事に出あう。「折に―・れて訪れる」「事に―・れてからかわれる」

(「触れる」について)

自分の好きなものに触れているあの瞬間は、何にも代えられないはずだ。ずっとそうしていられたらどれだけ幸せなことか。『好きなことばかりをしては居られないよ』という大人びた言葉にも、ついつい反抗したくなる。いいだろ、好きなことしてれば。まあ、そうとは思うものの、色々なこととの兼ね合いもあってどこかで妥協したり、身を引いたりしなくてはならなくなったりすることもある。非常に残念なことではあるけれど。

 それにしても、自分が持つ「好きな物や事」を、心から自慢できたり誇れたりするのは素晴らしいことだ。誰に文句を言われようと関係無い、と割り切ることができる程の「好きなこと」があるのは素晴らしい。それだけで幸福な人生だと思う。やはり世界にはたくさんの人がいる訳で、文句を言ってくる人ばかりではなく、自分の「好きなこと」に賛同してくれる人も必ず出てくる。共感してくれる人が必ずいるし、共にそれを楽しめる仲間もきっと出来るだろう。

 だから、信じてずっと自分の好きな物を好きで居続けたら良いのだ。別に人の意見は関係無い。アイツやそいつがどんなネガティブなことを言ってこようと、ずっと好きなままでいて良いのだ。好きなことだけをしている人を嫉妬して、『好きなことばかりをしては居られないよ』なんて言ってくるような人はもう、気にしたもんじゃない。彼はきっと、あなたのことが羨ましいだけだ。

 

 だから皆さん、自分の好きなものにもっと自信を持ちましょう。それが原因で周りが見えなくなってしまうのは良くないけれど。もっともっと自信を持って、どんどん好きなことをしましょう。お酒が好きな人はガンガンお酒を飲んだらいいんです。サッカー好きはスタジアムに出かけて。そこに周りは全く関係ありません。好きに自慢して、好きに行動しましょう。