春はこんなところにも。

今週のお題特別編「春を感じるとき」
〈春のブログキャンペーン 第1週〉

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道民はこうして春を迎えます。何だかわかりますか?これは、「スタッドレスではないタイヤ」です。スタッドレスタイヤという存在を聞いたことがあるでしょうか?北海道にて生活するにあたって、必ず必要になるあの四輪。雪で固められた道路の上、すべり止めが付いていないタイヤで走れば、間違いなくスリップ事故を起こしてしまいます。ブレーキでハンドルを持って行かれて、隣や前の車にドカン。

そこで、冬の季節にはスタッドレスタイヤを付けるわけです。すべり止めが搭載されていて、スリップを防いでくれるスタッドレスタイヤ。ツルツルの道路を走る際にも、安心して走行できるように。

 

冬が明けた3月の朝、眠い目をゴシゴシこすりながら散歩している時、僕はこれらを見つけました。マンションの前に4つ積まれた、「スタッドレスではないタイヤ」を。こんなの、誰が見てもきっと

あー、タイヤ積まれてるなぁ 

 くらいにしか思いません。もはやそれすら思わないかもしれない。朝ご飯を食べたいあまりに、これらの、僕にとっての、春を知らせてくれるアイテムに気づかないかもしれません。本当にもったいない。

 

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多分これを取り付けるために、ニコニコしながら家の裏から引っ張り出してきたんだろう。ニヤニヤしながら、好きな子とのお花見ドライブを妄想しながら。もしくは家族旅行の日程を思い浮かべながら、重くてちょっと面倒臭いんだけど、2週間後の家族のドライブを心待ちに作業しようとしたんだろう。

いずれにせよ、春に期待して準備したに違いありません。じゃなきゃこんな重たいものを外に出す意味なんて無いんだから。転がせば何とかなるんだけど。それは今は関係無い。すこしムリヤリだけど。

全ての物にはそれぞれストーリーがあります。そのストーリーは、その「物」を見ただけでは確定できないんだけど、確実にあります。お気に入りのTシャツ1枚を取っても、コーヒーマシンにセットされっぱなしのエスプレッソカップを取っても。全てにストーリーがあって、それぞれが何かを思い出させ、感じさせてくれる。「このTシャツは高校生の時に付き合っていた彼女の好みだ」とか、「エスプレッソマシンは貰ったその日以降全く使っていないなぁ」とか。

これらのタイヤにも、きっとそういうストーリーみたいなものがあるはずです。誰が、どんな気持ちで、なぜ、どんな格好で外に出してきたのか。それを考えた結果、僕はそれを「春の予感」だと結論付けました。

 

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これもそうです。「足あと」です。「春だから」という理由だけで、NIKEのダンクというスニーカーを履いて、街をゆらゆら歩いていた時。

北海道の冬は、先ほどの道路でもそうですが、雪が一面を覆ってしまいます。真っ白な道路と歩道。境界線はあいまいで、ほとんどが勘と経験を頼りに歩き、走り進みます。きっとピンときたでしょう。そうです。北海道の冬には「足あと」がほとんど存在しないのです。雪を踏んで「キシッ」と鳴った後、後ろを見れば自分のスニーカーやブーツのソールの通りに足あとが残っているけれど、それすら真っ白であまりハッキリは見えません。白に白の足あと。

春になれば雪が溶けて、ところどころに水たまりが出来ます。それをわざと踏み、乾いた歩道を歩くと、そこにはたちまち足あと。色が濃くなるから、絶対に見えるハッキリした足あと。これももう、完全に春の指標です。

 

桜の花びらを見て、春を感じるのも一興。女の子のチェックシャツに春を思うのも一興。それぞれ素晴らしいと思います。僕は4つの「スタッドレスではないタイヤ」、「スニーカーの足あと」に春を感じました。それはもう、バッチリと。僕の周りの友達はみんな笑ったけど。僕にとっては最高の春の目印です。たぶん、これを読んで下さった方、特に道民の読者の皆さんにとっての、春の目印になってくれると思います。